栗林誠一郎のシングル売上ランキング

 今回は、前回の織田哲郎に続いて栗林誠一郎作曲のシングル売上ランキングをお届けする。

 栗林誠一郎の画像

栗林誠一郎のシングル売上ランキング

 まず一覧にして栗林誠一郎のシングル売上ランキングを示す。

※画面幅が狭い場合、左右にスクロールできます。

順位 アーティスト名 シングル名 作詞 作曲 編曲 発売年月日 最高位 売上枚数(万)
1 ZARD もう少し あと少し 坂井泉水 栗林誠一郎 明石昌夫 1993/9/4 2 84.4
2 WANDS Jumpin' Jack Boy 上杉昇 栗林誠一郎 葉山たけし 1993/11/17 2 82.7
3 ZARD 君がいない 坂井泉水 栗林誠一郎 明石昌夫 1993/4/21 2 80.2
4 ZARD こんなにそばに居るのに 坂井泉水 栗林誠一郎 明石昌夫 1994/8/8 1 78.8
5 WANDS Secret Night~it’s My Treat~ 上杉昇 栗林誠一郎 池田大介 1995/2/13 1 63.1
6 ZARD Don't you see ! 坂井泉水 栗林誠一郎 葉山たけし 1997/1/6 1 60.3
7 DEEN 永遠をあずけてくれ 川島だりあ 栗林誠一郎 葉山たけし 1993/11/28 3 56.6
8 ZARD サヨナラは今もこの胸に居ます 坂井泉水 栗林誠一郎 葉山たけし 1995/8/28 1 55.1
9 DEEN Teenage dream 坂井泉水 栗林誠一郎 葉山たけし 1995/3/27 2 51.5
10 ZARD 運命のルーレット廻して 坂井泉水 栗林誠一郎 池田大介 1998/9/17 1 24.8
11 宇徳敬子 まぶしい人 宇徳敬子 栗林誠一郎 葉山たけし 1993/12/8 14 20.9
12 ZYYG 風にまぶしい 高山征輝 栗林誠一郎 栗林誠一郎 1993/11/10 6 17.4
13 Mi-Ke Please Please Me,LOVE 上杉昇 栗林誠一郎 栗林誠一郎 1993/5/12 15 12.3
14 ZARD promised you 坂井泉水 栗林誠一郎 Cybersound 2000/11/15 6 11.5
15 TUBE Dance With You 亜蘭知子 栗林誠一郎 長戸大幸 1987/8/26 3 11.4
16 MANISH 走り出せLonely Night 高橋美鈴 栗林誠一郎 明石昌夫 1994/8/10 18 7.3
17 ZYYG 壊したい現実 高山征輝 栗林誠一郎 栗林誠一郎 1994/3/4 24 7.1
18 TUBE REMEMBER ME 前田亘輝 栗林誠一郎 明石昌夫 1988/12/1 12 6.3
19 ZYYG NO RETURN LOVE 高山征輝 栗林誠一郎 栗林誠一郎 1994/4/23 20 4.9
20 MANISH 君の空になりたい 小田佳奈子 栗林誠一郎 池田大介 1996/5/27 23 3.8
21 Barbier クリスマス タイム 坂井泉水 栗林誠一郎 梅野貴典・Robbie Kondor 1995/11/22 35 3.8
22 栗林誠一郎 「トレンドは白。」のテーマ (白いMY LOVE) 湯川れい子 栗林誠一郎 明石昌夫 1990/4/4 48 3.4
23 WANDS 寂しさは秋の色 上杉昇 栗林誠一郎 明石昌夫 1991/12/4 63 3.1
24 Barbier LOVE 〜眠れずに君の横顔ずっと見ていた〜 坂井泉水 栗林誠一郎 葉山たけし 1996/6/9 61 1.2
25 柳原愛子 きっとふたり会えてよかった 向井玲子 栗林誠一郎 池田大介 1993/11/17 64 1
26 栗林誠一郎 Good-bye to you 高樹沙耶 栗林誠一郎 栗林誠一郎・明石昌夫 1991/11/6 93 0.6
※筆者調べ

 そもそも栗林誠一郎はシングルA面への提供はそれほど多くないため、筆者が調べた限り、オ〇コンチャート100位以内にランクインした作品は計26作であった。
 堂々の第一位はZARDに提供した「もう少し あと少し」の84.4万枚であった。槇原敬之の「No.1」に阻まれ、最高位は2位にとどまったことは有名な話ではあるが、売上枚数は最も高い。


解説~作詞家~

 以下では表に載った計26作の詳しい分析を見ていく。


 作詞家別のランクイン作品数を見てみると、最も多いのが坂井泉水とのコンビで38.5%と4割近くを占め、次いで上杉昇が約15%、さらにZYYGでコンビを組んだ高山征輝が約10%と続く。特筆すべきことは、栗林誠一郎自身の手による作詞作品がないことである。
 ZARDへの楽曲提供は織田哲郎以上に多いが、大多数がアルバム曲であるため、シングルではDEENへの提供を含めても10曲しかないのは結構意外である。


 次に作詞家別の売上比率をグラフ化してみた。


 作詞家別の売上枚数を見てみると、最も多いのが坂井泉水との黄金コンビで約60%(約450万枚)、これまた黄金コンビである上杉昇との組み合わせで約20%(約160万枚)を占めている。
 ZYYGや栗林誠一郎ソロの曲はほとんど売れなかったため、セールス面で見ると、提供曲数よりもなおさらZARD(坂井泉水)の存在感が際立つ結果となった。これは、織田哲郎の時と同様であり、坂井泉水と織田哲郎・栗林誠一郎の曲の相性が相当良かったことが伺える。
 坂井泉水と織田哲郎・栗林誠一郎の相性がことさら良かったことは明石昌夫が自身のYouTubeで証言している。坂井泉水にとっては作曲家によって歌詞の書きやすさが全く違ったとのことである。詳しくは下記動画を参照のこと。


 作詞家別の売上枚数を作品数で割ることにより、作詞家ごとの1作あたりの売上枚数を算出した。


 坂井泉水と上杉昇との組み合わせが1作あたり40万枚の高水準で売れていたことが分かる。ZYYGやその他の作詞家では1作あたり10万枚くらいの売上しか記録していないので、作詞家との相性の良し悪しが大きかったことが分かる。


解説~編曲家~


 編曲家別の作品数を見てみると、栗林誠一郎自身の手によるものが約20%を占め、最も多いのが明石昌夫・葉山たけしとの黄金コンビでそれぞれ約25%、池田大介との組み合わせが約15%であった。「栗林誠一郎」+「明石昌夫」+「葉山たけし」+「池田大介」のTOP4だけでおよそ90%を占めているのが、最大の特徴である。
 全体的には織田哲郎よりも組み合わせのバランスが良い印象である。これは、売上的には二流であったアーティストへの提供割合が高いことによるものだと考えられる。


 編曲家別の売上枚数を見てみると、栗林誠一郎自身の手によるものはわずか約5%(約40万枚)、最も多いのが葉山たけしとの黄金コンビで約43%(約330万枚)、これまた黄金コンビである明石昌夫との組み合わせで約35%(約260万枚)を占めている。池田大介とのタッグはこの二人に比べるとかなり少なく、売上にすると約12%(約93万枚)を下回る結果となった。


 さらに、編曲家別の売上枚数を作品数で割ることにより、編曲家ごとの1作あたりの売上枚数を計算した。
 最多は葉山たけしとのコンビで46.9万枚/作、次いで明石昌夫が37.6万枚/作となり、葉山たけしが少し上回った。最も低いのが、栗林誠一郎本人であり、いかに栗林誠一郎ソロが売れなかったかを示している。


解説~売上枚数の分布と年代の分布~


 50万枚以上売れた曲はわずか9曲と1桁にとどまった。それでも割合で言えば、3分の1に相当するので、決して打率が悪いわけではない。


 発売年別のシングル売上をグラフにした。93年の350万枚余りの驚異的なセールスが目を引くが、生涯でのセールス(約753.5万枚)のうちのおよそ半分を占めている。にもかかわらず、93年は週間1位を獲得できていない。週間1位は94年にZARDの「こんなにそばに居るのに」で初めて獲得している。

 1995年もシングルヒット3作に恵まれ、計173.5万枚を記録している。93~95年の3年間に生涯における売上の実に83.2%が集中しており、この3年間の異常さをうかがい知ることができる。逆に言えば、この3年以外はほとんどシングルヒットは出せていないということになる。


登場週数と売上の関係

 最後に、前回と同様に、最高位と売上の相関関係を(興味本位で)プロットしてみた。


 縦軸に常用対数を取ると、おもしろいことに最高位が10位より上のもの(青色)と、最高位が10位より下のもの(赤色)でくっきり傾向が別れた。織田哲郎のときと全く同じ傾向が見られることが分かった。


 というわけで以上、栗林誠一郎のシングルランキングを分析でした。


このページの先頭へ戻る

売上・チャート>16. 栗林誠一郎 シングル売上ランキング

関連記事