ビーイングブーム徹底解析 その11
~作家で見るビーイングブーム 作編曲の分類~
前回までは、織田哲郎、栗林誠一郎、明石昌夫、葉山たけしという4人のメインの作家陣について特集してきた。
今回はビーイングブーム徹底解析の第11弾として、前回よりもう少しウィングを広げ、作曲家と編曲家の組み合わせを網羅的に特集する。
データは93年の年間セールスに基づいている。なお、93年の集計対象期間は92/11/23~93/11/21(92/12/7付~93/11/29付)である。
セールスによる分類
まずは、シングルA面の作編曲の組み合わせによる売上を表にまとめた。作曲における自作とは、ボーカルあるいはバンドメンバーが作曲している場合を指す(例:B'z、T-BOLAN、TUBEなど)。また、”その他”は、表に個人名が載っていない裏方の作編曲家やビーイング外の作編曲家を指す。
※画面幅が狭い場合、横にスクロールできます。
作曲/編曲 | 明石昌夫 | 葉山たけし | 池田大介 | 作曲者が編曲 | その他 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
織田哲郎 | 345.3 (11.4%) |
740 (24.5%) |
28.2 (0.9%) |
17.2 (0.6%) |
108.9 (3.6%) |
1239.6 (41.0%) |
栗林誠一郎 | 164.6 (5.4%) |
28.6 (0.9%) |
※0.7 (0.02%) |
※23 (0.8%) |
216.9 (7.2%) |
|
川島だりあ | 14.4 (0.5%) |
※0.5 (0.02%) |
※10.3 (0.3%) |
25.2 (0.8%) |
||
大島康祐 | 144.3 (4.8%) |
81.9 (2.7%) |
7.1 (0.2%) |
233.3 (7.7%) |
||
多々納好夫 | 134.0 (4.4%) |
134.0 (4.4%) |
||||
春畑道哉 | 1 (0.03%) |
※7.6 (0.3%) |
※163.1 (5.4%) |
※11.1 (0.4%) |
182.8 (6.0%) |
|
自作 | ※765.4 (25.3%) |
※184.6 (6.1%) |
950.0 (31.4%) |
|||
その他 | 4.0 (0.1%) |
5.0 (0.2%) |
31.4 (1.0%) |
40.4 (1.3%) |
||
計 | 1439.0 (47.8%) |
1181.7 (39.3%) |
29.4 (1.0%) |
220.7 (7.3%) |
151.4 (4.6%) |
3022.2 (100%) |
↑グラフや凡例をクリックすると具体的な値を見ることができます。
作曲では、織田哲郎がビーイング系全体(約3000万枚)の約4割を占め、自作のおよそ3割さえも織田哲郎1人で凌駕した。ただし、この段階で、シングルA面の作曲をほぼ自らの手で任されていた(=自作していた)のは、B'z,T-BOLAN,TUBE,大黒摩季くらいという状況であった。
栗林誠一郎、大島康祐、春畑道哉はそれぞれ7%前後で、それほど数字としては大きくないが、ある程度、ビーイングブームにしていたことが読み取れる。
「織田哲郎×葉山たけし」の組み合わせだけで、全体の約1/4を占め、さらに「織田哲郎×明石昌夫」の組み合わせで約1割を占めている。これらの組み合わせだけでビーイング系全体の1/3を越え、”作曲のエース”織田哲郎と”編曲のエース”明石昌夫・葉山たけしがいかに重用された上に、結果を残していたかが分かる。
編曲では、明石昌夫が全体の5割弱、葉山たけしが全体の約4割を占め、二人だけでなんと!売上の9割弱を叩き出していた。
「自作×明石昌夫」が全体の25%を占めているのに対し、「自作×葉山たけし」は意外にも6%程度を占めるにとどまっているのは注目に値する。やはり、葉山たけしは比較的デビューの遅いアーティストを手掛けていたことが大きいのだろう。
作品数による分類
次に、シングルA面の作編曲の組み合わせによる作品数を表にまとめた。作曲/編曲 | 明石昌夫 | 葉山たけし | 池田大介 | 作曲者が編曲 | その他 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|
織田哲郎 | 7 (9.1%) |
12 (15.6%) |
2 (2.6%) |
2 (2.6%) |
4 (5.2%) |
26 (35.1%) |
栗林誠一郎 | 2 (2.6%) |
1 (1.3%) |
1 (1.3%) |
2 (2.6%) |
6 (7.8%) |
|
川島だりあ | 3 (3.9%) |
1 (1.3%) |
3 (3.9%) |
7 (9.1%) |
||
大島康祐 | 1 (1.3%) |
1 (1.3%) |
3 (3.9%) |
5 (6.5%) |
||
多々納好夫 | 2 (2.6%) |
2 (2.6%) |
||||
春畑道哉 | 1 (1.3%) |
1 (1.3%) |
4 (5.2%) |
1 (1.3%) |
7 (9.1%) |
|
自作 | 12 (15.6%) |
6 (7.8%) |
18 (23.4%) |
|||
その他 | 2 (2.6%) |
1 (1.3%) |
2 (2.6%) |
5 (6.5%) |
||
計 | 28 (36.4%) |
24 (31.2%) |
4 (5.2%) |
14 (18.2%) |
6 (9.1%) |
76 (100%) |
売上に比して、多少は分散している印象を受ける。明石昌夫と葉山たけしの二人で売上の9割弱を占めていたが、編曲作品数で言えば約7割にとどまっており、売上よりは二人への集中度が低い。
1作あたりのセールスによる分類
さらに、1作あたりの売上を表に示す。表中のカッコ書きはビーイング系全体の平均である39.6(万枚/作)との比である。(例えば、120%であれば、39.6の1.2倍であることを表している。)
作曲/編曲 | 明石昌夫 | 葉山たけし | 池田大介 | 作曲者が編曲 | その他 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
織田哲郎 | 49.3 (125%) |
61.7 (156%) |
14.1 (36%) |
8.6 (22%) |
31.6 (80%) |
47.1 (119%) |
栗林誠一郎 | 82.3 (208%) |
28.6 (72%) |
※0.7 (1.8%) |
※11.5 (29%) |
36.2 (91%) |
|
川島だりあ | 4.8 (12%) |
※0.5 (1.3%) |
※3.4 (8.7%) |
3.6 (9.1%) |
||
大島康祐 | 144.3 (365%) |
81.9 (207%) |
2.4 (6.0%) |
46.7 (118%) |
||
多々納好夫 | 67.0 (169%) |
67.0 (169%) |
||||
春畑道哉 | 1.0 (2.5%) |
※7.6 (19%) |
※40.8 (103%) |
※11.1 (28%) |
26.1 (66%) |
|
自作 | ※63.8 (161%) |
※30.8 (78%) |
52.8 (133%) |
|||
その他 | 2.0 (5.1%) |
5.0 (13%) |
15.7 (40%) |
8.1 (20%) |
||
平均 | 51.4 (130%) |
49.2 (124%) |
7.4 (19%) |
15.8 (40%) |
22.9 (58%) |
39.6 (100%) |
作曲数が少ない場合、1曲が大当たりすると、大きく出る傾向にある(大島康祐、多々納好夫)。織田哲郎、大島康祐、多々納好夫、自作(主に松本孝弘、森友嵐士、大黒摩季)は全体の平均を上回っている。栗林誠一郎は平均を下回っているものの、ほぼ平均的な売上と言えるだろう。
一方で、良質なアルバム曲を提供してくれていた川島だりあは、シングルではかなり低い水準にとどまっている。また、年またぎを起こす11月頃のリリース作品の多かった春畑道哉もやや低く値が出ている。
編曲では、明石昌夫と葉山たけしが、とてつもなく多くの作品を手掛けていながら、しっかりと質も維持しており、全体の平均を上回る単位作品あたりの売上を記録している。それとは対照的に、彼ら二人に続くビーイング3人目のアレンジャー池田大介は二桁万枚に届いていない。
個別の組み合わせで見ると、「織田哲郎×葉山たけし」、「織田哲郎×明石昌夫」の組み合わせがやはり安定して、高い売上を見込めたことが分かる。自作曲との組み合わせでは、「自作×明石昌夫」が高いのに対し、「自作×葉山たけし」は平均より低い。この頃の松本孝弘・森友嵐士と大黒摩季の作曲能力にはある程度の差があったということであろうか。(あくまでも売れる楽曲を作るという観点で。葉山たけしの編曲の自作曲には、大黒摩季の他にREV(出口雅之)やKIX-S(安宅美春)などが含まれる。)
ビーイング系の93年の年間売上一覧
ビーイング系(一部外注作品も含む)の93年の年間売上を以下の表にまとめてみた。尚、公式の記録では、B'z,T-BOLANの楽曲は、それぞれ松本孝弘とT-BOLANとの連名で記録されている。また、93年の集計対象期間は92/11/23~93/11/21(92/12/7付~93/11/29付)である。
アーティスト名 | 曲名 | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 年間売上 |
---|---|---|---|---|---|
B'z | 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫 松本孝弘 |
193.2 |
B'z | 裸足の女神 | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫 松本孝弘 |
165.3 |
ZARD | 負けないで | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 164.5 |
WANDS | 時の扉 | 上杉昇 | 大島康祐 | 明石昌夫 | 144.3 |
ZARD | 揺れる想い | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 139.6 |
中山美穂 & WANDS | 世界中の誰よりきっと | 上杉昇 中山美穂 |
織田哲郎 | 葉山たけし | 132.6 |
WANDS | もっと強く抱きしめたなら | 上杉昇 | 多々納好夫 | 葉山たけし | 132.6 |
DEEN | このまま君だけを奪い去りたい | 上杉昇 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 129.3 |
WANDS | 愛を語るより口づけをかわそう | 上杉昇 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 112.1 |
T-BOLAN | Bye For Now | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 明石昌夫 T-BOLAN |
100.6 |
ZARD | もう少し あと少し… | 坂井泉水 | 栗林誠一郎 | 明石昌夫 | 84.4 |
大黒摩季 | チョット/君に愛されるそのために… | 大黒摩季 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 84.0 |
T-BOLAN | おさえきれない この気持ち | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 明石昌夫 T-BOLAN |
82.6 |
WANDS | 恋せよ乙女 | 上杉昇 | 大島康祐 | 葉山たけし | 81.9 |
ZARD | 君がいない | 坂井泉水 | 栗林誠一郎 | 明石昌夫 | 80.2 |
TUBE | 夏を待ちきれなくて | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | 79.7 |
T-BOLAN | すれ違いの純情 | 森友嵐士 | 織田哲郎 | 葉山たけし T-BOLAN |
74.3 |
T-BOLAN | 刹那さを消せやしない/傷だらけを抱きしめて | 森友嵐士 | 森友嵐士 五味孝氏 |
明石昌夫 T-BOLAN |
73.2 |
ZYYG, REV, ZARD & WANDS featuring 長嶋茂雄 | 果てしない夢を | 出口雅之 | 出口雅之 | 明石昌夫 | 72.6 |
ZYYG | 君が欲しくてたまらない | 上杉昇 | 織田哲郎 | 栗林誠一郎 | 70.3 |
大黒摩季 | 別れましょう私から消えましょうあなたから | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 66.7 |
TUBE | だって夏じゃない | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | 61.9 |
DEEN | 翼を広げて | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 57.1 |
ZARD | きっと忘れない | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 53.2 |
DEEN | Memories | 池森秀一 井上留美子 |
織田哲郎 | 葉山たけし | 41.9 |
大黒摩季 | Harlem Night | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 39.6 |
Wink | 咲き誇れ愛しさよ | 大黒摩季 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 33.4 |
大黒摩季 | DA・KA・RA | 大黒摩季 | 大黒摩季 | 葉山たけし | 29.0 |
宇徳敬子 & 近藤房之助 | Good-by morning | 庄野真代 | 中島薫 | 長戸大幸 | 28.9 |
WANDS | Jumpin’Jack Boy/White Memories | 上杉昇 | 栗林誠一郎 | 葉山たけし | 28.6 |
TWINZER | OH SHINY DAYS | 小田佳奈子 | 織田哲郎 | TWINZER | 24.3 |
T-BOLAN | わがままに抱き合えたなら | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 明石昌夫 T-BOLAN |
23.6 |
B'z | ZERO | 稲葉浩志 | 松本孝弘 | 明石昌夫 松本孝弘 |
21.3 |
坪倉唯子 | ジュテーム | 大津あきら | 織田哲郎 | 池田大介 | 20.2 |
MANISH | 声にならないほどに愛しい | 上杉昇 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 19.8 |
REV | 甘いKiss Kiss | 出口雅之 | 出口雅之 | 葉山たけし | 19.5 |
REV | 抱きしめたい | 出口雅之 | 出口雅之 | 葉山たけし | ※19.4 |
T-BOLAN | じれったい愛 | 森友嵐士 | 森友嵐士 | 明石昌夫 T-BOLAN |
16.0 |
大橋純子 | 愛は時を越えて | 芹沢類 | 織田哲郎 | 重実徹 | 16.0 |
織田哲郎 | 君の瞳にRainbow | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 14.8 |
宇徳敬子 | あなたの夢の中 そっと忍び込みたい | 宇徳敬子 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 13.5 |
前田亘輝 | Try Boy,Try Girl | 前田亘輝 | 春畑道哉 | 春畑道哉 | 13.3 |
Mi-Ke | Please Please Me, LOVE | 上杉昇 | 栗林誠一郎 | 栗林誠一郎 | 12.3 |
MANISH | 眠らない街に流されて | 大黒摩季 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 11.8 |
TEARS | 眩しいほど綺麗になったね | 川島だりあ | 川島だりあ | 明石昌夫 | 11.5 |
前田亘輝 | Christmas For You | 前田亘輝 | 春畑道哉 | M-Project | ※11.1 |
ZYYG | 風にまぶしい | 高山征輝 | 栗林誠一郎 | 栗林誠一郎 | ※10.7 |
KIX-S | 愛し過ぎてこわい | 浜口司 | 安宅美春 | 葉山たけし | 10.4 |
MANISH | 素顔のままKISSしよう | 大黒摩季 | 西本麻里 | 明石昌夫 | 9.1 |
川島だりあ | 悲しき自由の果てに | 川島だりあ | 川島だりあ | 西田昌史 | 9.0 |
B.B.クィーンズ | 夢のENDはいつも目覚まし! | 長戸大幸 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 8.8 |
MANISH | 君が欲しい全部欲しい | 大黒摩季 | 織田哲郎 | 明石昌夫 | 8.5 |
春畑道哉 | J'S THEME (Jのテーマ) | 春畑道哉 | 春畑道哉 | ※8.2 | |
Mi-Ke | 涙のバケーション | 長戸大幸 | 織田哲郎 | 池田大介 Mi-Ke Project |
8.0 |
Mi-Ke | Pink Christmas | 長戸大幸 | 春畑道哉 | 葉山たけし | ※7.6 |
MANISH | だけど止められない/いつでも いつまでも いつかは | 高橋美鈴 | 西本麻里 | 明石昌夫 | ※5.8 |
BAAD | 愛したい愛せない | 山田恭二 | 羽田一郎 | 葉山たけし | 5.0 |
SO-FI | 「愛してる」を云わせたい | 小田佳奈子 | 大島康祐 | 大島康祐 | 4.4 |
GEARS | くちびる | GEARS | Joe Rinoie | TONE | 2.5 |
織田哲郎 | 朝が来るまで | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 2.4 |
森下由実子 | Tears | 向井玲子 | 川島だりあ | 明石昌夫 | 2.3 |
MANISH | 恋人と呼べないDistance | 小田佳奈子 すみれ |
すみれ | 明石昌夫 | 2.2 |
TWINZER | I WILL Wait For You | 小田佳奈子 | 生沢佑一 | 明石昌夫 | 2.1 |
BAAD | どんな時でもHold Me Tight | 山田恭二 | 瀬木祐未子 | 明石昌夫 | 1.8 |
WANDS | ふりむいて抱きしめて | 上杉昇 | 大島康祐 | 大島康祐 | 1.6 |
EDGE | どこかで君の声が聴こえてくる | 小田佳奈子 | 多々納好夫 | 葉山たけし | 1.4 |
SO-FI | メとメで伝心 | 岩切玲子 | 大島康祐 | 大島康祐 | 1.1 |
ZARD | IN MY ARMS TONIGHT | 坂井泉水 | 春畑道哉 | 明石昌夫 | 1.0 |
FEEL SO BAD | Ready or not | 川島だりあ | 川島だりあ 倉田冬樹 |
倉田冬樹 | 0.9 |
柳原愛子 | きっとふたり会えてよかった | 向井玲子 | 栗林誠一郎 | 池田大介 | ※0.7 |
森下由実子 | SOMEBODY TO BELIEVE | 向井玲子 | 川島だりあ | 明石昌夫 | 0.6 |
柳原愛子 | Don't let me down | 川島だりあ | 川島だりあ | 池田大介 | ※0.5 |
FEEL SO BAD | 愛されたい YEAH, YEAH | 川島だりあ | 川島だりあ 倉田冬樹 |
倉田冬樹 | ※0.4 |
ZARD | 眠れない夜を抱いて | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 明石昌夫 池田大介 |
0.3 |
近藤房之助 & Quncho | 夢を継ぐ人 | 売野雅勇 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 0.3 |
テレサ・テン | あなたと共に生きてゆく | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 葉山たけし | 0.3 |
桜っ子クラブさくら組 | なにがなんでも | 川島だりあ | 織田哲郎 | 寺尾広 | 0.3 |
さすが坂井泉水も「工房のような雰囲気でした。」と回顧しただけあって、”制作集団”ビーイングは、ほとんどの楽曲制作を自社で完結させている。 外部からの提供を受けたのは、作詞及び作曲では、カバーである「Good-by morining」(宇徳敬子 & 近藤房之助)のみ、作詞では「ジュテーム」(坪倉唯子)と「夢を継ぐ人」(近藤房之助 & Quncho)のみ、作曲では「愛したい愛せない」(BAAD)と「くちびる」(GEARS)のみ、編曲に至ってはなんと全楽曲を自社で制作している。 しかも、先述の通り、編曲は大半を明石昌夫と葉山たけしだけで手掛けている。
このシリーズで以前に述べたが、この年、26作も年間トップ100にランクインしている。つまり、集計対象期間中に週間チャート100位圏内に入った全77作のうちの1/3以上が年間トップ100にランクインしたということである。まさにCDを出せばヒットするというこの頃のビーイングの勢いが感じられるデータである。
今回でビーイングブーム徹底解析シリーズの本編は終わりです。
次回は、このシリーズのおまけとして、「なぜZARDとWANDSがビーイングブームの象徴と言えるのか」について取り上げます。
売上・チャート>12. ビーイングブーム徹底解析その11 ~作家で見るビーイングブーム 作編曲による分類編~