ビーイングブーム徹底解析 その10

~作家で見るビーイングブーム 葉山たけし編~

 今回はビーイングブーム徹底解析の第10弾として、ビーイングブーム下での葉山たけしの功績を振り返る。

 明石昌夫の回と同様に、ビーイングのもう一人のメインアレンジャー「葉山たけし」の週間チャートと年間売上を見ていく。

 葉山たけしの画像


40週以上の週間チャートTOP10入り継続記録

 まず、週間チャート10位圏内作品の推移を見てみる。

日付 曲名 アーティスト名 順位
92/10/5 DA・KA・RA 大黒摩季 5
また逢える… KIX-S 7
92/10/12 DA・KA・RA 大黒摩季 2
また逢える… KIX-S 9
92/10/19 DA・KA・RA 大黒摩季 4
92/10/26 DA・KA・RA 大黒摩季 3
92/11/2 DA・KA・RA 大黒摩季 4
92/11/9 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 2
DA・KA・RA 大黒摩季 4
92/11/16 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 2
DA・KA・RA 大黒摩季 3
92/11/23 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
DA・KA・RA 大黒摩季 4
92/11/30 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
DA・KA・RA 大黒摩季 5
92/12/7 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
DA・KA・RA 大黒摩季 5
もっと強く抱きしめたなら WANDS 8
92/12/14 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
もっと強く抱きしめたなら WANDS 5
DA・KA・RA 大黒摩季 8
92/12/21 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
もっと強く抱きしめたなら WANDS 5
92/12/28 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 1
もっと強く抱きしめたなら WANDS 5
93/1/11 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 1
もっと強く抱きしめたなら WANDS 3
93/1/18 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 1
もっと強く抱きしめたなら WANDS 2
93/1/25 もっと強く抱きしめたなら WANDS 1
世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
93/2/1 もっと強く抱きしめたなら WANDS 1
世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 3
93/2/8 負けないで ZARD 2
もっと強く抱きしめたなら WANDS 4
世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 7
93/2/15 負けないで ZARD 3
もっと強く抱きしめたなら WANDS 9
世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 10
93/2/22 負けないで ZARD 2
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 4
93/3/1 負けないで ZARD 1
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 8
93/3/8 負けないで ZARD 2
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 5
93/3/15 負けないで ZARD 4
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 6
93/3/22 すれ違いの純情 T-BOLAN 2
負けないで ZARD 5
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 8
93/3/29 すれ違いの純情 T-BOLAN 6
負けないで ZARD 7
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 8
このまま君だけを奪い去りたい DEEN 9
93/4/5 このまま君だけを奪い去りたい DEEN 5
すれ違いの純情 T-BOLAN 7
負けないで ZARD 8
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 9
93/4/12 このまま君だけを奪い去りたい DEEN 3
すれ違いの純情 T-BOLAN 7
負けないで ZARD 9
チョット/君に愛されるそのために 大黒摩季 10
93/4/19 このまま君だけを奪い去りたい DEEN 2
93/4/26 このまま君だけを奪い去りたい DEEN 2
甘いKiss Kiss REV 8
93/5/3 このまま君だけを奪い去りたい DEEN 3
93/5/10 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 3
このまま君だけを奪い去りたい DEEN 4
93/5/17 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 3
このまま君だけを奪い去りたい DEEN 5
93/5/24 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 4
このまま君だけを奪い去りたい DEEN 10
93/5/31 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 8
93/6/7 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 8
このまま君だけを奪い去りたい DEEN 9
93/6/14 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 10
93/6/21
93/6/28
93/7/5
93/7/12
93/7/19 恋せよ乙女 WANDS 1
93/7/26 恋せよ乙女 WANDS 1
翼を広げて DEEN 5
93/8/2 恋せよ乙女 WANDS 4
翼を広げて DEEN 6
93/8/9 Harlem Night 大黒摩季 3
恋せよ乙女 WANDS 7
翼を広げて DEEN 10
93/8/16 翼を広げて DEEN 8
Harlem Night 大黒摩季 9
93/8/23 翼を広げて DEEN 6
Harlem Night 大黒摩季 7
93/8/30 翼を広げて DEEN 8
Harlem Night 大黒摩季 9
93/9/6 翼を広げて DEEN 10
93/9/13
93/9/20 咲き誇れ愛しさよ Wink 9
93/9/27 咲き誇れ愛しさよ Wink 10
93/10/4 Memories DEEN 4
咲き誇れ愛しさよ Wink 10
93/10/11 Memories DEEN 9
93/10/18
93/10/25 Memories DEEN 9
93/11/1 Memories DEEN 8
93/11/8 抱きしめたい REV 4
93/11/15
93/11/22
93/11/29 Jumpin' Jack Boy/White Memories WANDS 2


 表に示されている範囲だけでも36週間連続(92/10/5~93/6/14)で週間チャートのトップ10にランクインし続けている。表の範囲外まで含めると、なんと92/8/24から継続しているので、プラス6週で、計42週にわたって、ランクインし続けている。10か月以上ということで、これまたすごい記録である。

 1位獲得は51週中8週であり、明石昌夫に比べて少ないため、少なく感じてしまうかもしれないが、十分にすごい記録である。最高位が2位止まりのミリオン作品(DA・KA・RA、このまま君だけを奪い去りたい)もあるため、まだ活動年数が少ないアーティストの初動が低いことが影響していると考えられる。

 明石昌夫が17週も1位を獲得しているので、二人合わせると、51週中25週分の週間チャート首位を獲得したことになる。要はビーイング系が1年のうち半年は首位を独占していたということである。すさまじい…


年間ランキング堂々の第1位

 葉山たけしの編曲した曲の93年の年間売上を以下の表にまとめてみた。尚、公式の記録では、T-BOLANの楽曲はT-BOLANとの連名で記録されている。
 また、93年の集計対象期間は92/11/23~93/11/21(92/12/7付~93/11/29付)である。

葉山たけし編曲シングルの93年の年間セールス
発売日 曲名 アーティスト名 売上(万)
92/7/21 もっと強く抱きしめたなら WANDS 132.6
92/9/23 DA・KA・RA 大黒摩季 29.0
92/10/28 世界中の誰よりきっと 中山美穂 & WANDS 132.6
92/11/6 Pink Christmas Mi-Ke ※7.6
92/11/26 夢のENDはいつも目覚まし! B.B.クィーンズ 8.8
92/12/16 夢を継ぐ人 近藤房之助 & Quncho 0.3
93/1/27 負けないで ZARD 164.5
93/2/10 チョット/君に愛されるそのために… 大黒摩季 84.0
93/3/10 このまま君だけを奪い去りたい DEEN 129.3
93/3/10 すれ違いの純情 T-BOLAN 74.3
93/4/14 甘いKiss Kiss REV 19.5
93/4/28 別れましょう私から消えましょうあなたから 大黒摩季 66.7
93/5/12 あなたと共に生きてゆく テレサ・テン 0.3
93/5/17 愛し過ぎてこわい KIX-S 10.4
93/5/19 どこかで君の声が聴こえてくる EDGE 1.4
93/5/26 愛したい愛せない BAAD 5.0
93/7/7 恋せよ乙女 WANDS 81.9
93/7/17 翼を広げて DEEN 57.1
93/7/28 Harlem Night 大黒摩季 39.6
93/8/4 あなたの夢の中 そっと忍び込みたい 宇徳敬子 13.5
93/9/8 咲き誇れ愛しさよ Wink 33.4
93/9/22 Memories DEEN 41.9
93/10/27 抱きしめたい REV ※19.4
93/11/17 Jumpin’Jack Boy/White Memories WANDS 28.6
1181.7
 ※印は正確な値が分からなかったので推計値。

 ということで、93年の葉山たけしは約1180万枚(連名を含む)というこれまた驚異的な数字を叩き出していたことが分かった。
 葉山たけしの場合、明石昌夫と異なり連名がほとんどない(T-BOLANとの連名のみ)ので、単独名義では明石昌夫を抜き、1101.3万枚でこの年の編曲家年間ランキングの堂々第1位に輝いた。

 明石昌夫に比べて、手掛けているアーティストが幅広く、数も多い。織田哲郎作曲、葉山たけし編曲の組み合わせの多さが目立ち、ランクインした24作のうち12作、すなわち50%を占めている。明石昌夫の場合、織田哲郎との組み合わせは、7作/27作=25%であったのに比べると、その割合は2倍にもなる。
 葉山たけしがほぼ専属的にアレンジャーを務めているのは、大黒摩季,DEEN,KIX-Sくらいで、WANDSは明石昌夫と分け合っている。16組もアレンジを受け持っており、そのうち2組はビーイング外部への提供である。新人の割合は、16組中4組とそれほど高くない。


 次回は、作編曲による分類からビーイングブームを紐解いていく。


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