実はZARDとSMAPがドンパチやりあっていた!?

 今回は一見関係のなさそうなZARDとSMAPが衝突し合っていたという話をとりあげる。

ZARD vs SMAPの真相

 ZARDとSMAPが衝突していたというのは、何も彼らが不仲だったという意味ではなく、チャート上での話である。実は、ZARDとSMAPが週間シングルチャートにおいて衝突したことは94年~97年のわずか3年の短期間に計4回もあるのだ。 ZARDのシングルで言うと、13th「あなたを感じていたい」、15th「愛が見えない」、18th「心を開いて」、20th「君に逢いたくなったら」の4回である。



1st.「あなたを感じていたい」vs「たぶんオーライ」

 初対決となったのは、1995/1/2付(12/19~12/25集計)の週間チャートである。ともに初登場での対決となった。ZARDは、人気が安定してきて初動枚数が30万枚前後で高止まりしていたことから、10th「きっと忘れない」~12th「こんなにそばに居るのに」で3作連続首位を獲得しており、13thシングル「あなたを感じていたい」で4作連続首位を目指した。そこに待ったをかけたのが1994年に入って初めて週間首位を獲得し勢いに乗るSMAPの「たぶんオーライ」であった。 さあ、対決結果は…!?

項目 「あなたを感じていたい」 「たぶんオーライ」
発売日 1994/12/24 1994/12/21
シングルNo. 13th 15th
最高位 2位 1位
初動売上 30.4万枚 31.3万枚
総売上 73.8万枚 63.6万枚

 ZARDの集計期間は12/24~12/25の2日間のみだが、SMAPの集計期間は12/21~25の5日間となっている。そこがおそらく勝敗を分けたのだろう。ZARDがクリスマス・イブの発売にこだわったためと思われるが、クリスマスソングとして売り出したいのであれば、10月末~11月中旬には発売していないといけないため、そんなにこだわる必要があったのか?というのが正直な感想だ。
 最終売上はZARDが約10万枚も上回っており、発売日が遅かったことが悔やまれる。発売日が早ければZARDが確実に勝っていたと思われる。

 この「あなたを感じていたい」については過去に特集している。興味ある方はぜひ。

「あなたを感じていたいを編曲したのは誰だ!?」はこちら↓ 1. 13thシングル「あなたを感じていたい」を編曲したのは誰だ!?



2nd.「愛が見えない」vs「しようよ」

 2回目の対決となったのは、1995/6/19付(6/5~6/11集計)の週間チャートである。前回の初対決から半年経たずして二回目の対決となった。ZARDは15thシングル「愛が見えない」。13th、14thシングルと2作連続で首位を逃しており、3作ぶりの首位を目指した。一方のSMAPは4作連続の首位を目指していた。 さあ、対決結果は…!?

項目 「愛が見えない」 「しようよ」
発売日 1994/6/5 1994/6/6
シングルNo. 15th 17th
最高位 2位 1位
初動売上 33.3万枚 35.2万枚
総売上 72.1万枚 61.3万枚

 ZARDは前回の反省を生かしたのか、集計期間の初日を発売日に設定し初週売上の増加を狙える環境を整えた。しかし、結果は惨敗。真っ向勝負の初動売上で負けたのである。ただ、前回に続き、最終売上はZARDが約10万枚も上回っている。やはり売上全体に占める固定ファンの比率が高いアイドルとの対決は分が悪い。

 アイドルの初動売上については言及していないが、アイドルのCDの特徴的な売れ方について分析した過去の記事を紹介しておく。

アイドルのシングルとアルバムの売上相関についての記事はこちら↓ 3. シングル売上とアルバム売上の相関



3rd.「心を開いて」vs「はだかの王様」

 ZARD2敗で迎えた3回目の対決は、1996/5/20付(5/6~5/12集計)の週間チャートである。前回対決からおよそ1年となった。ZARDはポカリスエットのCMソングになった18thシングル「心を開いて」。前回の15thシングル「愛が見えない」で週間首位を逃してから、16th~17thと2作連続首位を獲得した上、前作「マイフレンド」は久しぶりのミリオンヒットに輝き、陰り始めた勢いをなんとか復活させようとする中でのリリースとなった。一方で、SMAPは前作で7作ぶりに首位を逃しており、2作ぶりの首位獲得が期待された。 さあ、対決結果は…!?

項目 「心を開いて」 「はだかの王様~シブトクつよく~」
発売日 1996/5/6 1996/5/5
シングルNo. 18th 21st
最高位 1位 2位
初動売上 33.9万枚 17.4万枚
総売上 74.7万枚 62.6万枚

 今回はなぜかSMAPが集計期間の最終日に発売日を持ってきて、実質的な初動売上が2週に分かれるという謎ムーブをかましてきたため、ダブルスコアでZARDが快勝。初動売上は1勝2敗となった。総売上はいずれも10万枚以上の差をつけて3勝0敗の快勝。
 ZARDの初動売上が33.9万枚ということで、かなり安定している印象を受けるが、次作19th「Don't you see!」では23万枚程度まで初動売上が落ち込んでいるので、これでもかなりポカリスエットのタイアップ効果が効いていたと思われる。もし、SMAPが5/6に発売日を持ってきていたらかなりいい勝負だったと思う。

ポカリスエットのCMソング特集はこちら↓ 7. 名曲・名CMの宝庫 ポカリスエットのCM

 ということで、仮想的な売上モデルを作ってシミュレーションしてみた。想定するモデルは最初の3日間だけ初動効果で飛ぶように売れるが直線的に売上が減少し、その後は緩やかに指数関数的に売上が減っていくというモデルである。すなわち、1~3日目は線形関数:y=Ax+B、4日目以降は指数関数:y=CeDxで日次の売上が表されると仮定したモデルである。 このモデルを使って「心を開いて」と「はだかの王様」の売上実績値から各パラメータA,B,C,Dを決定し、もし同日発売だったらどうなったかをシミュレーションしてみた。


 このモデルは意外にも優秀で、「心を開いて」については、グラフ上で実際の売上(水色線)とモデル値(青色線)がほとんど同じに見えるくらいにはよく予測できている。「はだかの王様」の実際の売上(オレンジ線)では2週目(7日間)が1週目(1日間)を上回ったが、5/6の発売と仮定するとその売上はグラフ(黄色線)のようになり、かなりいい勝負をしていることが分かる。
 で、気になる「はだかの王様」の初動売上の予想結果だが、33.975万枚となり、「心を開いて」の33.865万枚をわずかに上回った。ということで、もし同日発売だった場合、SMAPが3勝目をあげていた可能性が高い。ZARDとしてはSMAPサイドが謎ムーブをかましてきたおかげでなんとか一矢報いることができたということになる。
 ちなみに、2週目(1996/5/27付)の売上なら逆転してZARDが首位を取れるのでは?と考えた方もおられるかもしれないが、翌週は同門B'zの「Real Thing Shakes」の発売が控えていたので、実質的に首位獲得は不可能である。



4th.「君に逢いたくなったら」vs「ダイナマイト」

 4回目の対決にして最後の対決となったのは、1997/3/10付(2/24~3/2集計)の週間チャートである。またもや前回の対決から1年経たずしての対決となった。ZARDは20thシングル「君に逢いたくなったら」。16thシングル「サヨナラは今もこの胸に居ます」から4作連続で首位を獲得しており、自身史上最高の5作連続首位を目指した。一方のSMAPは前作「shake」で自身最高の売上を更新した中でのリリースとなった。 さあ、対決結果は…!?

項目 「君に逢いたくなったら」 「ダイナマイト」
発売日 1997/2/26 1994/2/26
シングルNo. 20th 24th
最高位 2位 3位
初動売上 30.1万枚 24.3万枚
総売上 63.6万枚 74.1万枚

 同日発売の真っ向勝負でZARDが6万枚あまりの大差をつけて初動売上対決には勝利した。これで初動売上は2勝2敗の五分となった。一方で、初めて総売上でZARDが敗北を喫し、総売上では3勝1敗となった。だが、勝利したZARDも最高位2位どまりで、5作連続の首位は叶わなかった。というのも、前週にこの年の年間ランキング1位となった安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」が発売され、初動82.8万枚、2週目でも46.1万枚という驚異的な売上を叩き出して2週連続の1位に輝いたからである。 ということで、実はZARDもSMAPも実は敗者で、勝者は安室奈美恵だったというオチである(笑)。




 というわけで、今回は週間チャートに着目し、ちょっとしたトリビア的な話を紹介した。結果は、初動売上ではZARDの2勝2敗、総売上では3勝1敗となったが、わずか2年あまりの間に4回も直接対決をしていたというのは何かの因縁なのだろうか。今後もこういったチャートにまつわる記事も出していくのでこうご期待!


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