13thシングル「あなたを感じていたい」を編曲したのは誰だ!?
基本データ
1994/12/24発売
初動30.4万枚
初登場2位
最高位2位
売上73.8万枚
NTTドコモ「ポケベル」CMソング
惜しかった1位
SMAPの「たぶんオーライ」が初動31.3万で、惜しくも1位を逃した。SMAPが12/21発売、こちらは12/24発売であったが、オリコンの集計期間は12/19~12/25であったので、集計期間的に不利ではあった。あと2日ほど早く発売していれば1位を取れていたかもしれない。
編曲したのは…?
この曲の最大の特徴と言われれば、何が思い浮かぶだろうか?少しZARDに詳しい人であれば、ZARDで織田哲郎が編曲まで手掛けた唯一の曲ということは知っているかと思う。今回は、その編曲についての話である。
まずは、この動画を見ていただきたい。作編曲を行った織田哲郎本人が詳細を語っている。
この動画の中では、「"いつものZARDの制作チームがアレンジし直して"、派手なドラムと派手なギターが入って、いわゆるZARDらしいサウンドに仕上がった」と語られている。ではいったい誰がアレンジし直したのだろうか?
そもそも、"ZARDの制作チーム"というのは誰のことを指すのであろうか。ZARDは坂井泉水以外のメンバーやアレンジャー、ミックスエンジニア、ディレクターといった人も固定されておらず、固定されていたことと言えば、ボーカルを坂井泉水であることと坂井泉水が作詞をすることくらいであった。
そのため、織田哲郎の言う、"いつものZARDの制作チーム"とは、デモテープを渡してから、製品が完成するまでに作品に携わる人全般を指しており、特定の人を指したものではないと考えられる。
また、発売のタイミングが、93年以前や96年以降であれば、見当がつきやすいのであるが、94年の末に発売された本作は見当が非常につきにくい。
それは、前の12thシングル「こんなにそばに居るのに」までで明石昌夫がほぼ専属的にアレンジャーを務める時代が終わり、次の14thシングル「Just believe in love」からは葉山たけしがメインアレンジャーを務める時代に移り変わっているアレンジャーの過渡期であるからである。
アレンジ自体が似ているので、区別がつきづらいが、優しく繊細な雰囲気があるので、明石昌夫ではないというのが筆者の予想である。
最近、明石昌夫本人が「たぶん僕じゃない気がする。聞いた感じ池ちゃんな気がする。」と証言した(※池ちゃん=池田大介)ので、今のところ池田大介の可能性が高い。
明石昌夫 | 葉山たけし | 池田大介 |
なお、92年以降は織田哲郎が人に提供する場合、編曲まで手掛けることは原則的になかった。よって、編曲まで手掛けていたということは、本人のアルバムなりシングルなり用に作ったものをZARDが後になってからもらった可能性が高い。
筆者が考える編曲の経緯
明石昌夫本人も同時期に発売されたB'zの「MOTEL」のアレンジに相当苦労したと証言している。
色んなことをやり尽くした結果、ネタ切れを起こし、「MOTEL」のアレンジでは、普段なら1時間ほどでできるものが、3時間経っても「う~ん」と考え込む状態であったのことである。
織田哲郎、明石昌夫らの証言を合わせると、
- まずは明石昌夫にアレンジの依頼が来て、明石昌夫がアレンジをした。
- ところが、長戸プロデューサーが出来があまりよくないと判断し、元々織田哲郎が自分のシングルあるいはアルバム用にアレンジしてあったものを流用して使ってみた。(作曲者の織田哲郎にアレンジを依頼した可能性も有。)
- しかし、それも「ZARDにしては地味すぎるのではないか」との結論に至った。
- そのため、織田哲郎の編曲したものをベースにして、池田大介にさらにアレンジし直すように依頼がいった。
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