実はアレンジ能力が高い影のキーパーソンがいた!?

 今回は、FIELD OF VIEWの第1弾として、メンバーの隠れた才能について取り上げる。



提供曲でしか売れていない!?

 ビーイング系はお決まりの作詞家・作曲家・編曲家による高質な楽曲提供によりヒットを連発したというのはよく取り上げている話だ。

ビーイングの分業体制に関する記事はこちら↓ 2. ビーイング系の特徴その2 強力な作家陣による分業体制

 また、テレビ朝日やMr.Musicと組んだ優れたタイアップ戦略により、ヒット曲を量産したことも有名な話である。

ビーイングのタイアップに関する記事はこちら↓ 1. ビーイング系の特徴その1 タイアップ戦略とテレビ出演


 そんなビーイング系を象徴するかのような売れ方をしたのがFIELD OF VIEWである。

作詞:坂井泉水×作曲:織田哲郎×編曲:葉山たけし×大型タイアップ

という方程式でヒットを連発した。
 まずは、94年のview時代から98年までのFIELD OF VIEWの楽曲一覧でそれを見ていこうと思う。




シングル一覧(94~98年)

 94年のview時代から98年までのFIELD OF VIEWの楽曲一覧を以下に示そう。

名義 シングルNo. 曲名 発売年月日 作詞 作曲 編曲 売上枚数(万) 最高順位 タイアップ
view 1st あの時の中で僕らは 94/02/09 浅岡雄也 浅岡雄也 池田大介 0.3 97 「セブンイレブン」CM
view 2nd 迷わないで 94/08/10 浅岡雄也 多々納好夫 池田大介 - - 「チバビジョン コンタクトレンズ」CM
FIELD OF VIEW 1st 君がいたから 95/05/15 坂井泉水 織田哲郎 葉山たけし 89.8 3 フジテレビ系ドラマ 「輝く季節の中で」主題歌
FIELD OF VIEW 2nd 突然 95/07/24 坂井泉水 織田哲郎 葉山たけし 122.4 2 大塚製薬 
「ポカリスエット」CM
FIELD OF VIEW 3rd Last Good-bye 95/11/13 坂井泉水 多々納好夫 葉山たけし 39.7 3 TBS系
「世界ふしぎ発見!」ED
FIELD OF VIEW 4th DAN DAN 心魅かれてく 96/03/11 坂井泉水 織田哲郎 葉山たけし 52.8 4 フジテレビ系アニメ 
「ドラゴンボールGT」OP
FIELD OF VIEW 5th ドキッ 96/05/20 山本ゆり 浅岡雄也 葉山たけし 25.3 4 全日空 
「ANA'sパラダイス」CM
FIELD OF VIEW 6th Dreams 96/11/18 辻尾有佐 織田哲郎 徳永暁人 8.6 14 日本テレビ系ドラマ
「ナチュラル 愛のゆくえ」ED
FIELD OF VIEW 7th この街で君と暮らしたい 97/04/23 小松未歩 小松未歩 葉山たけし 8.7 14 テレビ朝日系
「超次元タイムボンバー」ED
FIELD OF VIEW 8th 渇いた叫び 98/05/20 小松未歩 小松未歩 小澤正澄 4.6 19 テレビ朝日系アニメ
「遊☆戯☆王」OP
FIELD OF VIEW 9th めぐる季節を越えて 98/07/29 浅岡雄也 浅岡雄也 FIELD OF VIEW・池田大介 1.3 32 フジテレビ系
「奇跡体験!アンビリバボー」ED
FIELD OF VIEW 10th 君を照らす太陽に 98/09/23 浅岡雄也 小田孝 FIELD OF VIEW・池田大介 1.6 25 TBS系
「噂の!東京マガジン」ED

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変わったデビュー経歴

 view時代は意外にも浅岡の作詞・作曲でデビューしている。強力作家陣の楽曲提供でデビューするアーティストが多いビーイング系アーティストの中では変わった経歴である。売り出す気がなかったのなら分からないでもないが、ちゃんと大型タイアップまでつけて売る気はあったようだ。この時期は長戸大幸氏が大阪に帰ってからデビューの話が進み、しっかりと指揮が取れる人が不在のまま成り行きでデビューすることになったのかもしれない。


 近年になってFIELD OF VIEWのデビュー(95年)頃に関与していたとほのめかしている長戸氏であるが、成り行きでデビューさせたviewが鳴かず飛ばずだった惨状を見て、東京に出てきてテコ入れしようとしたのかもしれない。長戸氏による浅岡雄也への歌い方の指導やバンド名の決定の関与等をビーイングのディレクターであった寺尾広がブログにて証言している。
 実際、再デビュー曲「君がいたから」のタイアップになったドラマ「輝く季節の中で」のプロデューサーは亀山千広氏であった。亀山千広氏は、ZARDのデビューシングル「Good-bye My Loneliness」のタイアップになったフジテレビ系ドラマ「結婚の理想と現実」でプロデューサーを務め、後に大ヒット月9ドラマを多く手がけた敏腕プロデューサーで、長戸氏とは旧知の仲であったと思われる。そんな亀山氏に長戸氏が頼み込んでタイアップを獲得し、売れる環境を整えた上で再デビューさせたのだろう。




提供曲ばかりが売れるバンド

 さて、先ほどの表を売上の大きい順にソートしてみてほしい。気づくことはないだろうか?そう!売上のTOP3は「坂井泉水×織田哲郎×葉山たけし」のコンビが独占しているのである。編曲にいたっては上位6曲まで葉山たけしが占めている。このように、FIELD OF VIEWはビーイングご自慢の作家陣の提供曲により大きな成功を収めたのである。
 しかもview時代やFIELD OF VIEWの自作に移行した後年はさほど売れていない。これを見ると、メンバーの作詞・作曲・編曲能力はあまりすごくなかったのではないかと思うかもしれない。

 しかし、実はメンバーに才能のあるアレンジャーが在籍していたのである!それが誰かというと…キーボーディスト安部潤である。


 え!?安部潤?と言いたくなるかもしれない…そう!なぜか2ndシングル「突然」のジャケ写で白飛びしている存在感の一番薄かった彼である。なぜか3rdシングルを最後に謎の脱退を遂げた彼である。そんな彼だが、実はFIELD OF VIEWに加入する以前に若くして”編曲家”として実績を積んでいたのだ!





安部潤の編曲したスマッシュヒット曲

 安部潤がviewとしてデビューした1994年から遡ること1年。1993年に30万枚のスマッシュヒットを記録した曲がある。それは、東野 純直(あずまの すみただ)の2ndシングル「君は僕の勇気」である。
 今となっては、90年代にデビューしたもののJ-POP黄金期の荒波に揉まれ生き残れなかった男性ソロSSWの1人でしかない彼であるが、デビュー直後は甘いマスクとはつらつとした雰囲気で一定の人気を獲得した。そんな2ndシングルにして自身最大のヒット曲「君は僕の勇気」のアレンジを手がけたのが安部潤なのである。
 アグレッシブなディストーションギターと鮮やかな高音のキーボード(シンセ)が光る一曲だ。一言で言うととにかく明るい。オケヒこそ使っていないものの、サビの後半は特にインパクトのあるアレンジになっている。要はビーイングっぽいアレンジになっているということである。まあ、ビーイングっぽいというか、ビーイングがあまりにも流行りすぎて、この時代のアレンジがビーイングっぽい味付けになっているという方が正しいだろうか。 静と動がはっきりした、”間”をうまく使った素晴らしいアレンジである。歌詞も純粋な青年の気持ちを歌っていてそのあまりのピュアさが何気に良いのだが、本題から外れるので詳しくは言及しない。

 安部潤にとって人生初のシングルA面が30万枚のスマッシュヒットというのだからすごいものである。インタビュー記事によると、昭和の大巨匠「船山基紀」のもとでアレンジを学びながらアレンジャーとしてのキャリアをスタートさせたとのこと。 また、安部潤はインタビューの中でこうも述懐している。

 当時はおそらく業界では自分が最年少くらい。その意味でも運が良かったといえますし、抜擢してくれた方からすると、相当覚悟がいったんじゃないかと。20代前半で大した実績のない若手にチャンスをいただけたことは感謝しかないです。





安部潤と東野純直の共演

 最後に、FIELD OF VIEWを脱退した安部潤の現在を紹介して終わりたいと思う。
 現在、安部潤はフージョンバンド「カシオペア」のキーボーディストとして活躍している。さらには、東野純直が始めたYouTubeチャンネル「音GRAPH」にて共演を果たしているのである!

 このサイトはもちろんビーイングフリークが集まっていると思うが、ぜひ東野純直の「君は僕の勇気」も聴いてみてほしい。




 アレンジ能力の高い彼がいれば、FIELD OF VIEWの未来も変わったのかもしれない…とも思わないではないところもあるが、90年代後半にメイン作曲家・編曲家が大量脱退したのであまり結果は変わらなかったのかもしれない。何はともあれ、FIELD OF VIEWに隠れた才能をもったメンバーが在籍していたことは声を大にして言いたいものである。




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