ビーイング系とは

 ビーイング系とは何なのか…。ビーイング系の定義とその分類について考えてみたい。


ビーイングという会社

 「株式会社ビーイング」は1978/11/1に長戸大幸によって創立された。 創業メンバーは、長戸大幸、月光恵亮、織田哲郎、亜蘭知子と社員2人程度(織田哲郎談)で、海老名俊則(当時オフィス・トゥー・ワンの社長)と作詞家の阿久悠の出資を受けて設立された。 現在では関連会社40社以上をもつ企業グループになっており、「ビーインググループ」と呼ばれる。
ビーインググループロゴの画像
 六本木に本社を構え、STUDIO BIRDMANやMOD STUDIO(現在は存在しない)、BIRDMAN WESTといったレコーディングスタジオ等も六本木に集まっている。
 また、90年代の後半から、大阪でも「GIZA」名義で企業活動を本格化し、2022年現在、東京に一極集中する音楽業界で、東京以外に所在する唯一のメジャーレーベルである。

場所について詳しくは、下記記事を参照。↓ 5. ビーイングゆかりの場所まとめ


ビーイング系の定義

 ”ビーイング系アーティスト”とは、広義では、「ビーイングという会社が音楽制作に継続的に関わっていたアーティスト」、狭義では、「ビーイングに所属していたアーティスト」と定義するのが妥当だと考える。

 ビーイング系と聞いてみなさんが思い浮かべるB'z,ZARD,WANDS,T-BOLAN,DEEN,TUBE,FEILD OF VIEW,B.B.QEENS,ZYYG,PAMELAH、大黒摩季、織田哲郎、栗林誠一郎、川島だりあ、倉木麻衣といった人たちは狭義に当てはまる。 「え、TUBEってビーイングに所属していたの?」と思われるかもしれないが、実は所属も曲がりなりにもビーイングである。 TUBEのデビューに合わせて田辺エージェンシーとの共同出資で設立されたホワイトミュージックという事務所に所属している。取締役に長戸大幸が就任していた。

 一方、広義にはあてはまるが、狭義には当てはまらないのは、KIX-SやMANISH、KEY WEST CLUBといった面々である。 KIX-Sは渡辺プロダクション(ナベプロ)との共同プロデュースで、所属はナベプロ。 MANISHやKEY WEST CLUBといったいわゆる"スターダスト組"は、所属はスターダストプロモーションで、音楽制作がビーイングという関係性であった。 (ちなみに坂井泉水も個人事務所に移るまではスターダストの所属であった。移籍時期は94年とも97年とも99年とも諸説有り。)

 相川七瀬は織田哲郎プロデュースの下、デビューした。初期はビーイングのスタジオでレコーディングしていたが、レーベルはavexでもあることから、一般的にはビーイング系とはみなされない。 織田哲郎個人が関わっているだけで、ビーイングという会社自体が関わっていなかったため、先程定義した定義にも当てはまらない。
 ビーイング系アーティストの一覧を見たい方はwikipediaをご参照ください。


レーベルによる分類

 ビーイングは複数のレーベル(レコード会社)を抱えており、そのレーベルによる分類を行ってみようと思う。
 まずは次の表をご覧いただきたい。

アーティスト名 所属レーベル
(90年代)
デビュー年 デビュー時の
所属レーベル
現在の所属レーベル
B'z BMG ROOMS 1988 BMGビクター air records VERMILLION RECORDS
ZARD B-Gram RECORDS 1991 ポリドール B-Gram RECORDS
WANDS B-Gram RECORDS 1991 東芝EMI GIZA studio
T-BOLAN ZAIN RECORDS 1991 ZAIN RECORDS Being
大黒摩季 B-Gram RECORDS 1992 東芝EMI Being
DEEN B-Gram RECORDS 1993 B-Gram RECORDS エピックレコードジャパン
(ソニー系)
TUBE Sony Records 1985 CBSソニー SMAR
(ソニー系)
FIELD OF VIEW ZAIN RECORDS 1994 ZAIN RECORDS
B.B.クイーンズ BMG ROOMS 1990 BMG ROOMS B-Gram RECORDS
Mi-Ke BMG ROOMS 1991 BMGビクター
MANISH ZAIN RECORDS 1992 ZAIN RECORDS
織田哲郎 BMG ROOMS 1979 キャニオン・レコード キングレコード
栗林誠一郎 BMG ROOMS 1989 BMG ROOMS Barbier名義ではB-Gram RECORDS
川島だりあ ZAIN RECORDS 1983 CBSソニー Being
PAMELAH 日本コロムビア 1995 日本コロムビア
ZYYG B-Gram RECORDS 1993 B-Gram RECORDS
BAAD ZAIN RECORDS 1993 ZAIN RECORDS
BA-JI ZAIN RECORDS 1995 ZAIN RECORDS
KIX-S アポロン 1991 アポロン
宇徳敬子 ZAIN RECORDS 1993 ZAIN RECORDS UK Sweet
(プライベートレーベル)
近藤房之助 BMG ROOMS 1990 BMG ROOMS ZAIN RECORDS
坪倉唯子 BMG ROOMS 1985 アポロン キングレコード
TWINZER ZAIN RECORDS 1992 ZAIN RECORDS
REV ZAIN RECORDS 1993 ZAIN RECORDS
FEEL SO BAD ZAIN RECORDS 1993 ZAIN RECORDS FSB TURBO DREAMS
(自主レーベル)
柳原愛子 ZAIN RECORDS 1993 ZAIN RECORDS
小松未歩 Amemura O-town Record 1997 ZAIN RECORDS
倉木麻衣 GIZA studio 1999 GIZA studio NORTHERN MUSIC
GARNET CROW GIZA studio 2000 GIZA studio
大野愛果 GIZA studio 2002 GIZA studio GIZA studio

 ※デビュー年はあくまでもメジャーデビュー年を指す。

 表をデビュー年順に見ていくと、次のような性質が分かる。  デビュー時に所属していたレーベルの欄は、ビーイング以外からデビューしている人も含むので注意が必要だが、WANDSや大黒摩季、ZARDは、大手レコード会社と共同出資で立ち上げたレーベルからデビューしている。 これは、単独で自社レーベルを持つほどの資金力がなかったためと考えられる。
 また、ここでも際立つのがTUBEの存在である。デビュー以来、現在に至るまでソニー系のレーベルから移籍したことがない。 これは、デビューが85年と他のアーティストよりもかなり早かったことから、ビーイングに共同出資するだけの資金力さえなかったためであると考えられる。

 レコード・レーベルの歴史や所属アーティストなど、より詳しくはこちら↓ 6. ビーイング系レコードレーベルを分かりやすく解説


レーベルごとのCM

 最後にビーイング系レコード・レーベルごとのCMを紹介する。(リンク切れが起こっていたらごめんなさい。)もちろん、レーベルによってCMに出てくるロゴももちろん違う。


 個人的にはB-GRAMのCMが一番かっこいいと思う。特に、ロゴが出てくるときの効果音が良い。B'zの金盤、銀盤じゃないけれども、B-GRAMのロゴが金、ZAINのロゴが銀なので、どこかB-GRAMがビーイング系レーベルの代表みたいな雰囲気が感じられる。


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